長谷川公之がシナリオを執筆し、井上昭が監督した“陸軍中野学校”シリーズ第五作目。撮影は武田千吉郎。
監督:井上昭
出演:市川雷蔵、小山明子、浜田ゆう子、船越英二、細川俊之、加東大介、内藤武敏、久米明
・amazon : 陸軍中野学校 開戦前夜 (1968)
・prime video : 陸軍中野学校 開戦前夜 (1968)
・YouTube : 陸軍中野学校 開戦前夜 (1968)
陸軍中野学校 開戦前夜 (1968)のストーリー
昭和十六年十一月五日。ワシントンでは日米交渉が決裂必至の情況にあった。その頃、中野学校の椎名次郎は香港へ向っていた。極東米英軍から機密情報を盗み取る命を受けていたのだ。現地で柏木中佐と磯村大尉の協力を得た椎名は早速ダイク大佐が隠し持つ極秘書類を一枚残らずカメラに撮った。敵情報網P機関は色めきたった。そしてかねてから内偵していた椎名を連行した。それを目撃した一の瀬秋子の急報で椎名は柏木や磯村によって救出された。同月十四日、大本営は騒然となった。椎名の撮ったフィルムにより御前会議の秘密が洩れていたことを発見したからだ。椎名は早速御前会議メンバーの調査にかかった。まず疑いをかけたのは大原博士の看護婦金井と会議の模様を描いた画家水池だった。折しも連合国側四カ国は結束を固め、その情報活動は日増しに活発の度を加えていた。この緊急事態には一刻の猶予も許されない。椎名は帰国していた秋子に調査の一部始終を話した。それは秋子に対する賭けだったのだ。その直後、椎名が調査のため水池に接近させていた芸者小菊が射殺され、水池も自動車事故に見せかけて殺された。椎名の予想通り秋子は敵国のスパイだった。十二月三日、真珠湾攻撃の暗号「ニイタカヤマノボレ」が決定された。中野学校の諜報活動も活況を呈し在日スパイ活動の本拠を追いつめていた。そのセント・ヨハネ病院の地下室では、偽電話でおびき出された磯村が残虐な拷問に耐えきれず口を割らされていた。一方、椎名は金井を逮捕するため大原邸を訪れていたが急報を受けてセント・ヨハネ病院に向った。病院の事務長がP機関員であることが判明したからだ。攻め込んだ椎名ら諜報員は、壮烈な銃撃戦の末敵スパイを葬り去った。が、次の一瞬、無線連絡しようとしている秋子の姿を発見した。危機一髪、椎名の拳銃が火を吹き、秋子を倒した。十二月八日、大本営は真珠湾攻撃の成功を発表した。そして磯村の遺書が発見されたのもその日だった。