新書・忍びの者 (1966)

高岩肇がシナリオを執筆し、池広一夫が監督した“忍びの者”シリーズ第八作目。撮影は新人田中省三で、これが第一作目。

監督:池広一夫
出演:市川雷蔵、大楠道代、冨士真奈美、伊藤雄之助、石山健二郎、五味龍太郎、井上昭文

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新書・忍びの者 (1966)のストーリー

武田勢と徳川勢が反目を続けている頃、霞小次郎(市川雷蔵)は甲斐の黒戸左太夫(伊藤雄之助)の許に急いでいた。一通り身につけた忍術を、更に磨くためである。それは、二十年前、三人の忍者に惨殺された父の仇を討つためでもあった。小次郎が京の町に入った時、偶然、ある研ぎ屋で鎖鎌を見つけた。それは間違いなく父を殺した鎖鎌だった。やがてそれを受取りに来た遊女、千歳( 冨士真奈美 )の後をつけた小次郎は、三人の忍者の一人、猪十(五味龍太郎)と向い会う。そして父が受けた仕打ちと同じように、猪十の片腕を斬り落し、第一の仇を討った。その後、左太夫の許で苛酷な訓練を受ける小次郎は、茜( 大楠道代 )という娘の好意を受けながら日増しにたくましくなっていったが、やがて、信玄(石山健二郎)と家康(内藤武敏)は正面きって衝突した。信玄側についた左太夫の仲間は、しかし、忍者を犠牲にしようとした信玄の作戦に復讐を誓い、左太夫と小次郎は信玄を襲って傷を負わせる。小次郎はその時、左太夫から、父の第二の仇が徳川方の忍者、夜叉丸(井上昭文)であることを知らされる。しかし、夜叉丸との対決で、小次郎は重傷を負い、千歳や茜の看護を受けたが、再び小次郎を襲ってきた夜叉丸に千歳が犠牲になって小次郎を救った。谷川で精気を養い、傷を治した小次郎は再度夜叉丸と対決する。しかし、小次郎の手裏剣に両眼を潰された夜叉丸を左太夫がとどめをさした時、小次郎はかすかな疑惑を持った。第二の仇を討った小次郎と左太夫は、その後、信玄の宿舎に忍び込んだ。そして、天井裏から毒の吹矢を射たのである。二人はこうして信玄の野望を断ち、歴史を変えたのである。騒然となった武田陣を脱出せんと屋根に上った二人だったが、小次郎はその時父の第三の仇が誰なのかを悟った……。忍者の宿命ともいうべき非情な運命だった……。

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