若親分 (1965)

紙屋五平の原案を高岩肇と浅井昭三郎が共同でシナリオを執筆、池広一夫が監督した侠客もの。撮影は武田千吉郎。

監督:池広一夫
出演:市川雷蔵、朝丘雪路、藤村志保、三波春夫、山下洵一郎、成田三樹夫、佐藤慶、山田吾一、原泉、石黒達也

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若親分 (1965)のストーリー

日露戦争で戦勝気分に酔っていた頃、南条組の親分辰五郎は、将棋帰りに殺され、車曳きの三吉(山田吾一)の証言で下手人は滝沢組のものらしいと噂された。葬儀は全国の親分が集って盛大に行われたが、その中には、滝沢組、組長巳之助(石黒達也)の顔もあった。その日、辰五郎の一子武(市川雷蔵)は海軍少尉の軍装のまま葬儀に参列して人目をひいた。数カ月後、南条組二代目武の襲名披露は華やかに開かれた。幼馴染みの“花菱”の若い女将京子( 朝丘雪路 )は、武にヤクザになることの無暴さを説いた。だが武の披露宴は終りに近づいていた。お開きの頃、三吉が巳之助にとびかかるという惨事がもちあがった。だが助人に出た武が、海軍仕込みの抜刀術で巳之助の右手首を叩き落した。父の仇を討った武は、父がひいきにしていた桃中軒雲右衛門(三波春夫)を招いて追善興業をうとうと計画した。武は、その打ち合せの帰り道、若い衆に足蹴にされている教師高瀬俊介(山下洵一郎)を助けた。俊介は芸者千代梅(藤村志保)と恋仲であったが、千代梅が太田黒組の親分伊蔵(佐藤慶)の持ち物であるため、ことがめんどうになったのだった。そこへ、先乗りの若い衆が伊蔵のインチキ賭博にひっかかり、雲右衛門の興行権を渡したと血だらけでころがりこんだ。かけつけた武は、バクチでけりをつけようと言われ、賭打場にのぞんだが、伊藤の卑劣なやり方に怒った武は、人質となっている雲右衛門を連れて出ていった。だがその夜、当の恵比須座がつけ火のため焼け落ち、焼け跡の雲右衛門独演会という奇妙な興行となった。その騒ぎが終らぬ内、京子の手引きで俊介と千代梅が武の許へ逃げこんで来た。ヤクザの世界ではこの種の行為に対する制裁は厳しかった。伊蔵の掛け会いにも、武の妙案でのがれた二人は、その夜西へ落ちのびた。見送りの帰り、武の車が父の殺されたガード下に近づいた時、長ドスを抜いて前に立った男がいた。親分を殺った男だ!三吉の叫びで追いかけた武は、その男の背後に伊蔵がいると聞き、巳之助を訪れて、父の仇と誤解したわびを入れた。そして、単身伊蔵一家の待つ決闘場へ乗りこんだ。街は、日露戦勝祝賀でわき返っていた。

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