眠狂四郎 人肌蜘蛛 (1969)

星川清司が脚本を担当し、安田公義が演出した眠狂四郎シリーズ第十作目。撮影は武田千吉郎。

監督:安田公義
出演:市川雷蔵、緑魔子、三条魔子、河津祐介、渡辺文雄、寺田農、五味龍太郎、小林直美

amazon : 眠狂四郎 人肌蜘蛛 (1969)
prime video : 眠狂四郎 人肌蜘蛛 (1969)
・YouTube : 眠狂四郎 人肌蜘蛛 (1969)

眠狂四郎 人肌蜘蛛 (1969)のストーリー

母の墓参に、甲府へ立寄った眠狂四郎(市川雷蔵)は、将軍家斉の妾腹の子という権力をカサに、暴虐の限りを尽す土門家武(川津祐介)、紫(緑魔子)の兄妹の鬼館へ、召出された薬師寺兵吾(寺田農)の身変りとして出かけた。甘美な肌を誘いに迫る紫や奴隷男蜘珠手(松枝錦治)の攻撃を受けた狂四郎は、敵の一瞬のスキをみて、鬼館を脱した。だが、戻ってみると兵吾と村娘はる(小林直美)の姿はなく、瀕死の七蔵(寺島雄作)が横たわっているのみだった。七蔵は、二人の救出を依頼すると世を去った。一方、紫、家武の一派は、種種の好策を隠して狂四郎に迫った。狂四郎は、ハンセン病を装う女を見抜いたものの、不覚にも家武の毒矢を腕に受けてしまった。薄れゆく意識の中、狂四郎は辛くも草むらに身を隠したが、ついに力尽きてしまった。そんな狂四郎の危機を救ったのは、公儀目付役、都田一関(渡辺文雄)だった。そこで狂四郎は、将軍家安泰のため乱行の紫兄妹を葬ってくれと頼まれたが、救命の礼を述べ、その申出を断った。そんな折、狂四郎の身を気遣って近付く女が現われた。紫の一味で門付女須磨(三条魔子)だった。だが狂四郎の魅力にとりつかれた須磨は、身の危険も省りみず、陶酔の夜を燈すのだった。須磨の裏切りを察知した紫は、兵吾との交換条件を持出し、狂四郎を森の荒家に誘った。危険はもとより承知の上、森の一軒家に出かけたものの、十字架にかけられた須磨の裸体を前に一瞬歩を止めた。その時、火煙筒が投げ込まれ、死体を装っていた紫一派の集中攻撃を浴びた。しかし狂四郎の円月殺法は冴えわたり、狼狽する敵陣深く斬り込んでいった。やがて狂四郎は紫の身体を冷やかに賞味すると、兵吾との交換を家武に伝えさせ、闘技場に向った。しかし、面前で兵吾を射殺された狂四郎は、鋭く迫る一味に敢然と斬り込んだ。冴えわたる円月殺法に蜘蛛手はじめ次々と倒れ家武も血しぶきをあげて倒れた。あえない兄の最後を見とどけた紫は、炎上する鬼館へ身を投げた。土門家破滅の礼を装い斬りかかった都田も狂四郎の一閃に最後をとげた。同じ黒ミサの運命を受けた、混血青年兵吾の屍を前に佇む狂四郎。その姿は憂愁をおびていた。

関連記事

  1. 眠狂四郎シリーズ

  2. 眠狂四郎 無頼剣 (1966)

  3. 眠狂四郎殺法帖 (1963)

  4. 眠狂四郎 魔性剣 (1965)

  5. 眠狂四郎 多情剣 (1966)

  6. 眠狂四郎無頼控 魔性の肌 (1967)